What's New ?
 

惑星異聞【白】 1-8

 どちらかといえば、きっと豪快に何かをぶつけてビルあたりを崩壊させてみたかったのだろう。それくらい、シヴァは不機嫌だった。
 理由は簡単で、どう考えても自分向きとは思えない仕事を押しつけられたからだ。物を壊すのは大の得意だが、物を探すのは大の苦手だ。しかも、迷子の身元探し。人を探すなど、今まで自力ではまともにやったことがない。
 しかも一人なので、相方に全てを任せて逃げることも不可能だ。そこまで嫌なら完全に放棄してしまえばよさそうなものだが、それは上司であるアレーンの報復が怖くてとても実行できない。何を考えているかはわからない直属の上司のことをシヴァはこれでもそれなりに評価していて、後が怖いので少なくとも必要以上にマイナスの印象を与えることだけは避けたかった。これ以上マイナスされようがあるのかどうかはともかく。
「あー……うっとーしい。さっさと終わらせてさっさと帰ったる」
 心の底から面倒くさそうに舌打ちすると、シヴァはファイルに記されていた依頼人との待ち合わせ場所へ向かって歩き出した。
虚構文書 > 惑星異聞【白】 | - | -