ある日、アルルはかーくんと一緒に食べる特製カレーの材料を買いに街まで出かけました。そこでなんだかアンハッピーエンドなうえに続いている紙芝居に見入ったり、笛をなくしたパノッティの笛探しにつきあってあげたりすることになったりといろいろありましたが、ちゃんと材料を買って家に帰ってこれました。かーくんと一緒にカレーを食べて、今日はもうおやすみなさい……と思ったら、どこからか大きな音が。家も、大きく揺れました。思わず飛び起きたアルルですが、かーくんはなにごともなかったように熟睡しています。やっぱり、かーくんは大物です。
次の日の朝に起きたアルルは、かーくんと一緒に街に行ってみました。街は、夕べの騒動の話でもちきりです。どうやら裏山にその原因があるらしいと知ったアルルは、そこへ行ってみることにしました。そして、そこでアルルが見たものは……正気を失い、襲いかかってきたモンスターたちだったのです。
もともと『魔導物語』というのは3Dダンジョンが舞台のRPGで、1、2、3と3作が発売されていた。1は主人公であるアルル・ナジャの魔導幼稚園の卒園試験、2は成長したアルルがカーバンクルと出会うまで、3は2のラスボスだったサタンを追いかけているルルーとの女の戦い(?)だったような気がする。ちなみにMSX版の1とゲームギア版の1〜3をプレイしたことがあるが、相当昔の話なのであまりよく覚えていない。この3部作のほかにも、パソコンやメガドライブ(MCDだったかもしれない)でいくつか『魔導物語』が出ていたような気がする。
おそらく『魔導物語』よりは、その魔導物語のキャラたちが登場するパズルゲーム『ぷよぷよ』のほうが有名だろう。『わくわくぷよぷよダンジョン』は、これはどこに分類すればいいのか少し悩むが。
SS版『魔導物語』は、今まで発売された魔導物語のどれともまったく違うオリジナルのストーリー、システムになっている。というか古い『魔導物語』を掘り返してプレイしてみるよりは(ハードが古いものばかりなので、見つけるのも大変だ)、『ぷよぷよ』シリーズで遊んでみてから手をつけたほうがいいかもしれない。別に深い意味はなくて、単にぷよぷよでは対戦相手として登場するキャラクターが仲間になったり敵として登場したりするので面白い、というだけだ。
なおストーリーは、カーバンクルと平和に仲良く暮らしていたアルルが裏山に起こったらしい異変を調査しにいくところからはじまる。そのままルルーや他の仲間たちを巻き込んで、旅に出ることになるわけだ。システムはコマンド選択式のRPGそのままなので、それこそマニュアルを読まなくてもはじめられるだろう。
さてこのゲーム、とにかく簡単というかひっかかる場所が少ない。キャラクターは敵も味方も可愛くてとっつきやすいし、システムも単純なのでわかりやすい。フィールドは固定された俯瞰型なので、自分の場所がわからなくなってしまうようなこともない。ダンジョンも、マップがないと進めないようなだだっ広いものではなく手頃な大きさなので、比較的簡単だ。ダンジョン内の敵の出現率はけっこう高めだが、レベルが上がるとHPとMPが回復するのでさほど鬱陶しくもない。つまり何度も途中で引き返して、宿屋に駆け込む必要がないわけだ。あまりレベル上げをする必要もないが、装備を全部買い揃えていこうとすると少しは資金稼ぎが必要だろう。それでも、ちょっと本腰を入れてプレイすれば一週間もかからずにクリアしてしまえるだろう。
なお1回クリアすると、そのデータを使ってもう一度最初からプレイすることができる。じつは一体どういう効果があるのかがまだよくわかっていないのだが、別に前回クリア時のデータを引き継げるわけではないようだ。もしかして貰える経験値が少し多いのかな、と思わないでもないが、実際のところはやっぱりもっと先に進めてみないとわからないようである。
ちなみに私の個人的なお気に入りキャラは、言わなくてもバレているような気はするがシェゾである。たとえ性格がねじまがっていようが変態魔導師だろうが、とりあえず顔と格好はいい。ただ『ぷよぷよSUN』でも『わくわくぷよぷよダンジョン』でも彼は「むずかしい」モードの主人公だったので、どうにも手が出なくてくやしかったのだ(たぶん、こんなことで悔しがっていたのは私だけだろう)。『魔導物語』SS版の中でも良かったのは顔だけで、相変わらず性格も扱いも悪かった。でも、やっぱりシェゾは「性格が悪くて好き勝手傍若無人に振る舞っているようでいて、じつは貧乏クジばかりひいている」という状態こそが正しいと思ってしまうのだが、ファン失格だろうか。
▼当然といえば当然だが、最弱の敵はぷよぷよだ。弱いし経験値もそうたくさんはくれないがなかなか役に立つやつで、勝手に4匹くっついて自滅したり、勝手に喜んでアルルのHPを回復して去っていったりすることもある。自滅しようが回復しただけで消えてしまおうが経験値とお金はくれるので、ぷよアタックを喰らうよりはだいぶ嬉しい(このぷよアタック、けっこう痛いのだ)
▼基本パーティはアルルとルルーのふたりで、残りひとりは進行状況によって入れ替わることになる。その3人目のキャラによっては、たまに街でミニイベントが起こるのだ。たとえば最初の街であるリラクスにいる泣いている女の子だが、彼女はミノタウルスが仲間になっているときに話しかければイベントクリアになる
▼戦闘はコマンド選択式で、選んだコマンドによってキャラごとにアニメーションする。画面上にあるステータスウインドウのHPゲージ下にあるゲージは、SPをあらわす。SPとはいわゆる格闘ゲームでいう怒りゲージみたいなもので、コマンドを選択したりダメージを受けたり、反対に敵にダメージを与えた場合などに増えていくようになっている。どんなアクションでゲージが増えるかはキャラごとに決まっていて、アルルは選んだコマンドによってゲージが増えるタイプ、ルルーはくらったダメージによってゲージが増えるタイプ、シェゾは与えたダメージによってゲージが増えていくタイプだ。ちなみにSPゲージが満タンになると攻撃力は大幅にアップするし、SP技が使えるようになる