拍手をありがとうございました。

memo-5/
「おにいちゃぁん。にいさまからおでんわだよぉ」
家の中から聞こえて来た妹の声は、べつにありえないことを告げているわけではなかった。まだ10歳にもなっていない妹には普通の電信通話と星間通信の差なんてわからないだろうし、通信機らしきものから呼び出し音が鳴ればそれはすべて電話になる。
だから、本星にいるはずの兄から電話がかかってきたと妹が言い出しても、おかしくはない。問題はあの面倒くさがり極まっている兄が、わざわざ星間通信なんてこの上なく手間も金もかかるものを僕によこした、ということだ。
「今度はなに、たくらんでるんだか」
「おにいちゃぁん? にいさまがでんわのむこうでねちゃうっていってるよぉ?」
「通信費そっち持ちなんだから、いくらでも寝てていいよって言っといて」
「わかったぁ、そうするぅ」
正直、嫌な予感しかしない。しないけど、もしかしたら退屈な日々からは解放されるかもしれない。
そんな思考が一瞬頭の隅をかすめて、僕もなんだかんだで相当兄に毒されているな、と。
少しだけ、そう思った。

惑星異聞【白】 another
  
■ご来訪目的は?
ゲーム攻略
図書館台帳
虚構文書
web拍手
その他
■雑談・リクエスト・ご意見ご要望等有りましたらお気軽に



- PatiPati (Ver 3.0) -