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/らーよの部屋/



隠れ月

メーカー:アリスブルー/メディア:WIN/ジャンル:SLG
進行度:コンプリート
ネタバレ度:★★★★★

すでに半年以上前のゲームになってしまいましたが、私がはじめて「面白い」と思ったボーイズゲームはこれです。8時間かけずにCGモードのみならずイベント回想モードまでコンプリートしたうえに攻略ページまで作ったので、我ながら相当ハマっていたような気がします。ゲームとしては作られた人工生命体「ぬへ」である主人公・朔夜になって自分自身を育てる、という育成シミュレーションです。ですが朔夜のパラメータと休日に誰のところへ行ったかという二つのフラグが影響して、様々なエンディングを迎えることになります。パラメータがいくら良くなっても、他のキャラとのイベントを起こしておかないと結局はさみしいエンディングになってしまうんですけど。

で、このゲーム、ある意味幸せなエンディングというのはほとんど存在しません。主人公が人間でなく作られた生命体であるせいか、なんとももの悲しいエンディングが多いんです。いちばん幸せなエンディングは、おそらく七朗と駆け落ち(?)するやつかなあ、と。先生とか紅玉のエンディングはもう「お願いだから朔夜自身を見てやってくれ」と思ってしまいますし、尚純のエンディングは「結局だから何」という感じですし(尚純の煮えきらなさが目立つというか)、七朗とのもうひとつのエンディングは個人的にはものすごくツボなんですが状況としてはうっかりすると泣けてきそうですし、とにかく朔夜に痛い展開ばかりのような気がします。
でも、私的にはそういった「単なる幸せハッピーエンドばかりじゃない」というところが好きだったりするんですが。そうそう、おそらくいちばんほのぼのとしたエンディングは、たぶん屋敷のまかないさんだった加代ちゃんといっしょに紅玉の別宅へと引き取られるやつだと思います(汎用エンドのバリエーション)。

真面目(?)な感想はこんなものでいいでしょうということで、この先は煩悩に走らせていただきます。
まず萌えキャラは紅玉です。紅玉シナリオに入ったあと、エンディング直前に出てくる戦闘シーンの紅玉立ち絵がとっっっっっても格好良くて私のツボにクリティカルヒットしました。でも、この立ち絵を見てしまうということは、絶対に紅玉とハッピーエンドにはなり得ないんですけど(爆)。というか、そもそも紅玉とハッピーエンドってあるんだろうか……ないような気がしてきました(「二つの真実2」がもしかしたらそうなのかもしれないけど)。
まあ紅玉ってすでに姫さん(魔人・蛇姫)の使徒なので、売約済みみたいなものですしねえ。蛇姫が男だったら蛇姫×紅玉でめちゃくちゃ萌えだったのに! と思っていたんですが、同志がいたようで少しだけホッとしました(笑)。ちなみにノーマルな紅玉×蛇姫は比較的どうでもいいです。なんですが、蛇姫にぞっこんじゃない紅玉というのもまた想像できないのも事実なのでした。うむ、複雑(どこが)。

紅玉の次に萌えなのは、朔夜と七朗です。朔夜はあのにこぱ笑いがかわいいじゃないですか。誰も朔夜自身を見てくれなくて、なんだか泣けてくるほど不憫だし……七朗とのイベントでは比較的子供らしさが発揮されていて、なんだかほのぼのとしてしまいました。七朗は、朔夜自身をいちばんかわいがってくれるから好き(笑)。「木登り」とか「縁日」とか「影武者」(「影武者」はエンディングのひとつですが)とかですね。七朗は、紅玉みたいに単体で好きというわけではなくて、朔夜とセットで好きな気がします。そういう意味では朔夜は単体で好き……というか放っておけないのかもしれません。

そんな状態なので、カップリング一押しは七朗×朔夜。でも、精神的朔夜攻め希望です。朔夜が大きくなったら、逆になってもいいですね(笑)。そんなこと言ってるのは私だけでしょうかもしかして。
で、次が辰王様×先生。元の辰王様よりは、朔夜バージョンの辰王様×先生のほうがツボです。とんでもないネタバレになりますが、先生のエンディングのひとつ「魔人と使徒」では、朔夜は先生(魔人・辰王の使徒)によって、身体を失い魔血魂(まけつこん)状態になっている辰王の器にされてしまうんです。なので外見は育った朔夜なんですが魂は辰王のものという状態なんですけど、どうやら朔夜の魂も残っているようで……それはそれでとんでもなく切ない状況ではあるんですが。ていうか、先生ってば受けのくせに精神的バリ攻めだと痛感した瞬間でございます(意味不明)。
あとは、やっぱり蛇姫が男だったら蛇姫×辰王も萌えだったのにな〜とか思いつつ(笑)。おいしいじゃないですか、兄弟下克上……。
更にどういう展開になるのかまるで予測はつかないんですが、七朗×紅玉のリバとかも私的にはぜひとも見てみたい組み合わせだったりします。誰か書いて(描いて)ください(笑)。

というわけで、単なる明るいラブラブな展開を欲する人にはあまりおすすめできないんですが、少々心臓に痛いような展開も平気な方はぜひやってみてください。ボーイズゲームではありますがボーイズラブゲームではないので、その手のネタが苦手な人でも楽しめると思います……って、ボーイズラブネタが苦手な方は読んでませんよね、これ……。


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